持続可能で効率的な技術を目指す動きが強まるにつれ、電気モータ効率の微妙な違いを理解することが重要になります。DEWESoftのモータ解析ソフトウェアモジュールはその最前線に立ち、エンジニアがモータの電力と機械的なパワーおよび特性を統合的に可視化することを可能にします。
この統合アプローチはDewesoftXパワーモジュールと組み合わせることで、電力パラメータの計算方法や利用方法に革新をもたらします。

モータ解析モジュールとDewesoftXパワーモジュールは、電気データと機械トルクおよび回転計測を統合します。この統合はシームレスであり、パワーアナライザと機械系計測用DAQを個別に使用した場合にしばしば生じるデータ同期のズレを解消します。 DEWESoftのソリューションは、同期され統合されたデータを提供し、カスタマイズ可能な2D/3D効率マッピングを通して、モータの効率と損失を包括的に観測できるようにします。

モータ効率ソフトウェアには、さまざまな2D/3D効率マップが含まれています。

電気モータ解析の重要性

電気モータ解析は、特にハイブリッド車や電気自動車など今日の世界では不可欠です。モータ解析モジュールは、クラーク変換とパーク変換を使用して、3相電力の時間領域成分を直交定常フレーム(αβ)に変換します。これらの変換は交流電圧と電流を直流に変換し、効率計算を簡素化しより明確な位相評価と機械的回転評価結果を明確にします。

クラーク変換は時間領域ABCフレームを2成分 αβ定常フレームに変換し、パーク変換はαβフレームをdq参照フレームに変換します。この組み合わせは、特に回生ブレーキを含むアプリケーションや燃費の最適化など、電気モータの効率を解析するために不可欠です。

これらを併用することで、交流電圧と電流を効率的に直流に変換し、効率計算を簡素化できます。また、位相(クラーク)を評価し、機械的回転(パーク)に関する電圧と電流を解析するためのより良い方法でもあります。

DewesoftXモータ効率および電力解析ソフトウェア例

合理的なシステム設定

モータ解析モジュールは、高速で直感的な設定が可能です。エンジニアが必要な計測と出力を選択すると、あとはソフトウェアが処理します。このシステムの使いやすいインタフェースは、計測中にすべてのデータが表示され計測後に再生できます。チャートレコーダのグラフは、カーソルを使って拡大/縮小できるため、エンジニアは時間軸と振幅軸の両方で、任意の解像度でデータを見ることができます。この機能は詳細な解析に不可欠であり、DEWESoftのソリューションはハイブリッド車や電気自動車の効率向上に最適です。

クラーク/パーク変換の基本設定は、静的なモータ動作ポイントを示しています。周波数変換器の効率は、モータとバッテリの電力に基づいて計算されます。レゾルバセンサは、機械角と速度を決定するために使用されます。

電気モータテスト用のSIRIUS DAQ機器の簡易設定

モータ効率モジュール内のシステム設定は早くて簡単です。エンジニアは必要な計測と出力のボックスを選択するだけで、あとはソフトウェアが行います。

DewesoftX 電力およびモータ解析モジュールの設定画面

すべてのデータは計測中に表示され、計測後に再生することもできます。チャートレコーダのグラフは、カーソルで拡大/縮小でき、時間軸と振幅軸の両方で任意の解像度でデータを表示できます。すべてのグラフィカル ウィジェット タイプは、計測前、計測中、計測後に自由に設定できます。

高精度計測のための高度な信号調整

電動モータの効率式試験では、正確な信号調整が重要です。DEWESoftは、高帯域幅,高精度,絶縁された信号調整オプションを提供します。これらのオプションには、高電圧および電流信号用のアンプやひずみゲージ,加速度計,熱電対,RTD温度センサなどの幅広いセンサとの互換性が含まれます。この柔軟性は、さまざまな業界におけるデータ収録(DAQ)などのアプリケーションに不可欠です。

システムの互換性は、すべての主要なタイプのカウンタ,エンコーダ,RPMセンサ,トルクセンサなどに及びます。AC/DCクランプからフラックスゲートセンサまであらゆる電流センサを使用でき、包括的なデータ収録が可能です。さらにCAN BUS,CAN FD,IMU,GNSSデータ,高速および低速ビデオカメラなど他のセンサやインタフェースも接続できるため、システムの汎用性が高まります。

電力と機械モータ解析の組み合わせ

電力と機械モータの解析を組み合わせることで、多くの利点が生まれます。モータ効率マップを理解することで、オペレータは最適な性能と寿命を確保できます。この統合により4つの象限すべてにわたってモータの動作を観察し、駆動モードと発電モード、および正逆両方向の性能を定量化できます。この機能はハイブリッド車や電気自動車など、より高い効率を求めるアプリケーションにとって極めて重要です。

トルクリップルなどのパラメータを解析することで、潜在的な機械の問題を明らかにし、タイムリーなメンテナンスと故障の防止を可能にします。異常の早期検出は安全性を高め、危険な運転状態を回避します。詳細な性能解析はエンジニアがより良い動作のために制御アルゴリズムを調整し、アプリケーションに最適なものを選択するために、さまざまなモータ設計の性能をベンチマークするのに役立ちます。

DewesoftXの電力およびモータ解析モジュールによる表示。
データを読み取りやすくするために、画像やテキストを任意の画面に自由に追加できます。

DCインバータの効率ランプテストの結果を示すDewesoftXのディスプレイ

モータ解析システムの主な機能

モータ解析システムは、機能性を強化するいくつかの重要な機能を備えています。

  • クラーク変換とパーク変換:これらの数学的変換は、交流電圧と電流を直流に変換することで効率計算を簡素化します。これは、シャフトの機械センサから計算されるモータのリアルタイム出力を評価するために不可欠です。
  • あらゆるカウンタ/タコメータ/エンコーダセンサとの互換性:統合されたカウンタ演算モジュールにより、さまざまな運転条件にわたってモータの性能を監視し、最大効率の領域を特定できます。
  • あらゆる信号とセンサに対応:システムは、高電圧や高電流入力のほか、ひずみ,圧力,トルク,温度,変位などのアンプも処理できます。
  • デジタル入力とバスデータ:アナログソース,デジタル出力,各種インタフェースからのバスデータをサポートし、同期したデータ収録を提供します。
  • 効率マッピング:エンジニアはさまざまな運転条件におけるモータの性能を視覚化し、エネルギー節約と寿命の延長に最適なポイントを特定できます。
  • 多相解析:システムは単相、二相、三相などのモータを解析でき、総合的な評価と調和のとれた動作を提供します。
  • 高サンプルレート:高速間隔でデータをキャプチャすることで、モータの動作を高解像度で把握し、過渡現象や異常の検出に役立ちます。
  • インバータ試験:インバータの性能と効率を評価することで、クリーンで安定した電力供給を確保すると同時に、電動モータの効率曲線を最適化します。
  • 強力なレポート作成:収録&解析ソフトウェアDewesoftXは、収録後すぐにグラフィカルなレポートを作成することができ、データの解析を容易にします。

DewesoftXによって生成された標準的なグラフレポート

モータ効率テストに最適なDAQハードウェア

最高の帯域幅を必要とする場合、DEWESoftのSIRIUS XHSが最適です。この小型で頑丈なモジュールは、チャネルあたり最大15MS/sでサンプリングする16ビットSAR ADCを搭載しています。高ダイナミックレンジを必要とするアプリケーションには、チャネルあたり最大2MS/sの24ビットΔΣ性能を持つ24ビットADCとして構成できます。SIRIUS XHSモジュールは、USB 3.0経由でソフトウェアを実行するWindowsコンピュータに接続するため、さまざまなテストシナリオに対応する汎用性の高いツールです。

SIRIUS XHS 高速/高帯域幅 計測器

産業用および民生用電子機器で要求がそれほど厳しくないアプリケーション向けには、サンプリング速度200 kS/s,分解能24ビット,150dBを超えるダイナミックレンジを持つSIRIUS DualCore®が使用できます。

SIRIUS DualCore 高ダイナミックレンジ計測器

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内燃エンジン試験

今日では電気モータが注目されていますが、ハイブリッド車にも内燃エンジンが搭載されていることを忘れてはなりません。収録&解析ソフトウェアDewesoftXの燃焼解析プラグインは、ガソリン,エタノール,ディーゼル,水素,その他のエンジンタイプをテストします。このシステムは、研究開発,エンジンの最適化,点火システム,排気システム,バルブ制御ギアのテストに使用されます。

さらに車載(60-2ギア歯など),エンコーダ,CDM+Trgなどの標準的なRPMセンサも使用できます。同期されたCANまたはCAN FDポートは、直接同期された高速CANデータ収録のために利用可能です。DewesoftXはOBDII,J1939,CAN DBCファイルの追加をサポートし、チャネル設定を容易にします。

DewesoftX燃焼解析プラグインの標準画面

DEWESoftの燃焼解析装置は、解析結果をAKプロトコル経由でテストベッドに送信するか、CAN経由でETAS INCAや同様のシステムに送信します。

モータ効率テスト以外のアプリケーション

高度なモータ解析は、電気モータの効率試験にとどまりません。産業機械,航空宇宙,海洋,研究,家電製品など、多くの分野で非常に重要です。効率の最適化は、これらのアプリケーションに共通する目標です。その他の用途は次のとおりです。

  • 理想的な運転パラメータの決定:モータの性能と効率を高めるために、最適な運転条件を確立
  • 経時的なモーター性能試験:長期的なパフォーマンスを監視および解析し、傾向や潜在的な問題を特定・障害の検出と予測:障害を早期に特定して未然に防ぎ、ダウンタイムを最小限に抑える
  • 障害の検出と予測:障害を早期に特定して未然に防ぎ、ダウンタイムを最小限に抑えます。
  • 電気的および機械的な調整:電気部品と機械部品が調和して機能するようにする
  • インバータの設定と微調整:モータの性能と効率を高めるためにインバータの設定を最適化
  • トルクリップル解析:トルクリップルの検出と対処により、機械的な問題を防止して動作を改善
  • 制御アルゴリズムの改善:モータ制御と効率を最適化するためにアルゴリズムを調整
  • 4象限操作の可視化:総合的な評価のために、すべての動作モードのモータ性能を解析
  • インバータ制御の設定と最適化:インバータを微調整し効率と性能を最大化

まとめ

電気自動車やハイブリッド車技術の急速な進歩に伴い、より迅速で正確なモータ解析が求められています。DEWESoftのモータ解析ソフトウェアは、DewesoftX パワーモジュールと組み合わせることで、モータの性能と効率の最適化を求めるエンジニアに理想的なソリューションを提供します。

この統合アプローチにより、包括的なデータ収録と解析が保証され、電気モータとパワーエレクトロニクスの開発と改良が強化されます。

ハイブリッド車,産業機械,家電製品のいずれにおいても、効率を計測し改善する能力は非常に重要です。DEWESoftのツールにより、エンジニアは効率を高め、燃料消費を削減し、アプリケーションの二酸化炭素排出量を最小限に抑えることができます。効率と損失のマッピング,回生ブレーキ解析,詳細なレポート機能などの機能により、DEWESoftはエンジニアがモータ効率試験において革新と持続可能性を推進するために必要なツールを提供します。